派遣に関することについて(4)
派遣は、労働者の希望に応じた新しい働き方と派遣会社の華やかな宣伝が広がっています。しかし、派遣労働の現実はきわめて厳しいといえます。派遣労働者は、不安定、差別、孤立という共通した特徴を持っています。派遣先は、直用従業員であれば解雇の責任を問われます。しかし、派遣であれば委託打ち切りという形式で派遣元に解雇の責任を押し付けることができます。不意に派遣を打ち切られて、派遣社員は何時でも雇用を失う可能性があります。
常用型と言っても多くは期限付きで、ほとんどは登録型の派遣で1か月から半年の短期契約を更新しています。口約束では長期の仕事だといわれても、次の契約更新が確実となってほっとするというのが、多くの派遣労働者が経験することです。派遣社員の賃金はパートよりも高いとされていますが、女性派遣社員の多くが年収で250万円程度、比較的高いとされる40歳前後の男性でも400万円程度にしかなりません。
正社員との比較では、賞与、退職金、通勤手当、社会保険、労働保険などの福利厚生費が安くつき、人件費は2分の1から3分の1ですむといわれています。現在、派遣労働の典型は登録型で、間接雇用に加えて短期雇用という2重の弊害があります。
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