派遣に関することについて(5)
派遣会社は、事務所面積20平米以上、100人の派遣社員に1人の責任者で対応すればよいなど、きわめてゆるやかな基準で許可を得ることができます。派遣会社は、社員と電話、机などがあれば、数百人の雇用責任を負う使用者になれます。派遣社員側の不満では、派遣会社の取り分が多すぎる、苦情があっても連絡が取れない、契約更新の時しか担当者が来ない、更新時期が過ぎて話し合いなどもなく契約書を送ってくるだけなどがあります。
特に、登録段階での労働者保護が不明確で、ずさんに管理された個人情報が大量に漏えいするといったことも少なくありません。派遣会社は、本来の使用者責任を労働組合から追及されることがほとんどないため、何かあれば労働者にしわよせして解決しがちです。派遣先によって違いはありますが、派遣先の正社員が派遣社員を対等にあつかわない例はよくあります。
派遣元に渡した自分の履歴書が、派遣先でコピーやファックスであちこちに回されるプライバシー配慮も全くないという例や、正社員が嫌がるような仕事を派遣労働者に押し付ける例などがあります。日本の大企業職場には、競争や能力主義の風潮、企業主義の意識が強く、派遣に対する意識は必ずしも温かいものではありません。
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